これまでの地盤改良設計は改良体位置の間隔を2.0m以内とし、基礎通りに合わせて均等に配置することが標準的とされていましたが、これは建物荷重、軸力、基礎梁の強度がわからない条件下で設計するための手法であり、これまでの代表的な設計手法のひとつでした。
従来の地盤改良設計では、荷重の集中する建物中心部に改良体が少なくなり、地盤の支持力(※)が不足しているケースや、一方で荷重の少ない外周部に改良体が多くなり、過剰な設計となるケースが見受けられました。
※支持力とは、地盤が建物を支えることができる力を言います。
地盤改良工事では杭の配置が非常に重要です。
そこで「どうすれば必要な杭を必要な個所に設置できるか」を考えた結果、開発されたのが「miaxis」です。
「miaxis」は、建物の構造計算により柱の軸力(※)を算出するとともに、基礎仕様書から基礎梁の強度を算出し、これらの結果を用いて杭を最適に配置する新しい地盤改良設計のシステムです。
安全かつ根拠のある設計を可能とし、改正建築士法が求める、構造計算書の保存義務にも対応できる商品となっています。
※軸力とは、柱にかかる建物の荷重を言います。
軸力が小さい柱の下は改良杭が不要になる場合があります。
軸力改良杭の支持力を超える場合は、改良杭の追加や配置の見直しが必要になります。
1.軸力と建物の総重量の計算
専用のアプリケーションを利用し、軸力と建物の総重量を計算します。専門のオペレーターが設計を行い、図面上へ柱にかかる荷重を記載していきます。
2.基礎の剛性の計算と杭配置
基礎の構造を確認し、剛性の計算を行った後にそれに基づき杭配置を行います。軸力がかからない所には杭は配置しません。
建物荷重に対して改良体本数が多くなり、結果として地盤改良工事の費用が増える傾向を解消します。
ただし、必ずしも「miaxis」で設計すれば、改良体の本数が少なくなるわけではありません。
従来の設計方法では、建物の荷重を把握していない上で設計していますので、建物が設計基準としている建物荷重を超えていた場合、建物を支えるだけの改良体の本数が足りていない場合があり、地盤改良をしていても建物が沈下してしまう可能性があります。
「miaxis」では軸力と建物の総荷重、基礎の剛性を計算した上で設計していますので、改良体の本数が不足することはありません。
弊社の標準地盤改良設計となる「miaxis」は、2023年12月「杭配置システム」「杭配置方法及び杭配置プログラム」として、特許(特許第7395164号)を取得しています。